
皆さんもご存じかと思いますが、探偵とGPS追跡装置は切っても切れない関係です。
それこそ、20年以上も昔の話になりますが、ゴリ助が探偵事務所に入社した当時は、探偵会社の調査員がGPSを利用して浮気調査を行うことなんてありませんでした。
そもそも、そんな通信技術(実用技術)がなかったからです。
だから当時はいかなる調査(例えば夫の浮気調査)でもガチンコの車両尾行で、例えば調査ターゲットの夫の車にまかれてしうと、調査はそこでお終い。
その日のその後の調査はやりようがなくなってしまう。
調査員は探偵事務所の上司からは怒られ、依頼者からはクレームが入るのでダブルパンチ。
探偵事務所の上司に怒られるのが嫌な僕は、それこそ一生懸命に、
大げさに言えば命がけで車両尾行をしていたものです。
でも命がけというのは、あながち言いすぎな表現ではありませんでした。
この記事では、探偵業界にGPSの実用化が到来する前の状況と、GPS追跡装置を利用できるようになってから現在に至るまで、GPSを巡るメリットとデメリット等について記述していきます。
↓ ↓ ↓ ちなみに、これは僕のツイッターアカウントです。
#GPS とか探偵の機材は日々進化してる。だから探偵は最新機材を徹底的に使いこなせなければならない。昔は凄腕探偵だったのに、時代の変化で機材についていけなくなり、勉強もせず平凡な探偵、いやヘボ探偵になった姿を見ると本当に残念で悲しくなる。僕は逆で、昔はヘボだったが今は凄腕w
— 探偵ゴリスケ【尾行の帝王】 (@tantei_gorilla) June 6, 2021
GPSがない時代は命がけで尾行をしていた
探偵業界にGPSが到来する前は、どの探偵も命がけで尾行をしていました。
例えば浮気調査において、ターゲットである夫の車両を尾行中に交差点の信号機に差しかかります。
前方道路の信号機が赤であれば、車は停止するのが当たり前です。
そんなことは小学生だって知っていることです。
でも、このような追尾事案において、ターゲットの夫の車が黄色はおろか、すでに赤信号に変わっているぐらいのタイミングで交差点を通過してしまった場合はどうなるのでしょうか?
【車両事故多発】20年以上前の探偵はガチンコ追尾時代だったなぁ

でもこの場合、交差点を通過されているのでまだマシな方です。
なぜなら、しばらくは直進方向が見通せますので、行方を視認することができます。
でもターゲットの車両が左折とか右折してしまった場合は、瞬時に前方が見えなくなってしまいますよね。
そうすると、探偵の車の信号機が青になってから追いかけてたとしてもお手上げ。
後の祭りですね。
調査ターゲットの車がどこをどう曲がったのかわからないので、もう見つけられない、ということが多かったのです。
探偵業界にGPSが到来する前はそんな時代でした。
もちろん当時の探偵は、そんなことにはならないように、かなり強引で無謀な運転をすることにより、まかれるという行為そのものを回避するべく奮闘していました。
綺麗ごとを言ってもしょうがないので言いますが、交通違反等の強引な運転をせざるを得ない状況があったのです。
道路交通法に関して違法行為とも言える「乱暴な運転」が多くあったことを否定できません。
この時代は、調査員の尾行中の交通事故がひどく多かった時代です。

探偵にとっても魔法のようなGPS時代が到来
さて、そんな時代もありましたが、GPSが探偵業界もに供給されたころ、探偵業界は歓喜しました。
GPSが供給されてその精度が上がってきたのは、今から10数年前の話です。
そりゃ調査員は歓喜しますよ。
だって調査対象者の車にまかれたって、そのあとGPS頼みで探索し、移動先でその車両を発見できたのですから。

今まで死に物狂いでターゲットの車両にへばりついて離れず、それでいて気づかれずに尾行しなければならないので近すぎずに注意して尾行していたのがまるで嘘のようです。
当然、GPSによって探偵業界における調査員の交通事故も激減しました。
GPS・・・・・・それは探偵業界に生まれた眩い希望でした。
【後藤弘子氏】GPSを規制するのは当たり前。探偵はどうなる?
しかーし!! 近年ではそのGPSを規制しようという動きが加速してきました。
それが先日のこのニュースです。
↓探偵業界においても大きな話題となっています。
ストーカー対策、GPS悪用を規制対象に 法改正へ
一応名目と要点は、以下のようなものになっています。
ストーカー問題に詳しい後藤弘子千葉大大学院教授(刑事法)は「GPSを使ったストーカーを規制するのは当然で、それ以外の課題に対応する方向性も歓迎できる」と提言を評価する。そのうえで「加害者は予想を超える手段を用いる。さらなる犠牲を防ぐため、技術の進展も考慮した対策を検討できるシステムを作るべきで、常設の検討会を設置してはどうか」と話している。【町田徳丈】
警察庁は1月28日、ストーカー行為に対する規制の在り方を議論してきた有識者検討会の報告書を公表した。全地球測位システム(GPS)機器を使って相手に無断で位置情報を取得することを規制対象に加えることなどを提言した。警察庁は報告書に沿って、ストーカー規制法の改正案を通常国会に提出する方針。
報告書は、GPS機器の悪用を「相手に大きな不安をもたらし、さらなるつきまといや犯罪に発展する恐れがある」と位置づけ、規制対象に含める法改正を求めた。位置情報を取得できるものを取り付けたり渡したりしただけでも規制対象にすべきだとした。居場所を把握できるスマートフォンのアプリなどで位置情報を取得することの規制にも言及した。
刑事法学者 後藤弘子氏とは
後藤 弘子(ごとう ひろこ)は、日本の刑事法学者。博士(法学)。千葉大学大学院社会科学研究院教授。NPO法人ヒューマンライツ・ナウ副理事長。特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)理事。
1958年福島県出身。1987年慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得。立教大学法学部助手、富士短期大学・東京富士大学経営学部助教授を経て、2004年より千葉大学大学院教授。「子どもと女性の犯罪被害・加害に対してどのような対応を社会や制度が行うべきか」について研究している[1]。2014年に行われた性犯罪の罰則に関する検討会では「すべての性行為は意に反している」とし,物議をかもしている。
後藤弘子氏。なんか嫌な予感がするんだよなー。
性犯罪の罰則に関する検討会では「すべての性行為は意に反している」とし,物議をかもしている。
例えば、GPSの取り扱いを巡る今後の流れでこんなことになったら嫌だなぁー。探偵としては。
【ゴリ助の嫌な予感】今後の予想
- GPSはストーカーの加害者に利用される可能性が高いのでストーカー規制法で規制する(ストーカー事案限定)
- GPSは公権力(警察)の仕様を禁止した背景(最高裁判例)もあり、探偵業法においても規制する。
- GPSが広く一般に普及していることで人権侵害を助長しているので、GPSそのものの一般利用を規制する。
①の場合は探偵としても大歓迎です。
ストーカーに対する厳罰化を推進し、犯罪を抑止することはこれまでの事件やからも十分合理的であると思いますので。
②の場合は、探偵業者のGPSに関する取扱いが違法となってしまうので、探偵はまた20年以上前に逆戻りになる可能性があります。
現状、最高裁判例等の経緯があり、警察ではGPSの利用が禁止されている中、探偵はグレーでもいいのか?という疑問は確かにあります。
探偵の場合、現状はGPSの利用や設置に関して違法とは認定されておらず、不法侵入等の別の法律で罰せられる可能性がありますが、他の法律にさえ注意すれば、GPSの設置を取り締まる法律はなく、違法行為ではないというのが現状です。
もっとも、全くの他人の車にその家族の同意もないままGPSを取り付けた場合、他の法律による処罰を受ける要因にはなりますが、そのようなケースは稀であり、大抵は配偶者の同意を得て調査ターゲットの車にGPS追跡装置を取り付ける探偵が多いでしょう。
お願いですから、今後のGPSの設置や利用=違法とはしないでいただきたいです。
憲法の趣旨からすると、国家権力(行政権)が国民を抑制するための手段としてGPSを国民(犯罪被疑者等)に利用することを問題視するということであれば、探偵=国家権力では明らかにないわけですから、見逃してください(笑)
切ににお願いします_(._.)_後藤 弘子様。
行き過ぎた規制と法の制定は、結局は国民を虐げることにつながります。
加えて言うならば、探偵が今後あらゆる場所で尾行中に交通事故を起こしたら嫌でしょ?(笑)
なので探偵がGPSを使えなくなると本当に事故が多発しそう。。。
さて、③の場合は、もっと最悪です。
依頼者、例えば夫の浮気調査における妻自身が、夫の車にGPSをつけること自体も禁止される可能性です。
そうすると、今巷で流行っているGPSレンタルの会社が潰れちゃいますね。。。
かわいそうに。GPSレンタルの会社も今や乱立しており、競争が激化しているなか、GPSのレンタル禁止、販売禁止、存在そのものが禁止ってなったら会社が潰れるしかないでしょう。
しかも、探偵会社へのGPSの供給もストップですからダブルパンチですね。
GPS規制があっても、探偵会社にはメリットもある
さて、市場のGPSが法律で大きく規制され、法律によって禁止さ荒れた場合、我々探偵事務所はGPSレンタル取扱会社のように潰れないまでも、悲惨な状況にはなりますね。
先述の通り、車両尾行の難易度が格段に増すことで調査が大変になり、成功確率が減少するほか、調査員の交通事故多発が懸念されます。
調査員が無理な運転をして、アッチコッチで車両事故を起こして、車の修理代や調査員の治療費が非常に高くつきますね。。。
これは若い調査員の命にもかかわる由々しき問題です。
でも、考えようによっては、探偵がガチンコでの車両尾行をせざるを得なくなるので、
単純に車両やバイク尾行が上手でそれを得意とする探偵事務所が生き残り、引いては車尾行が優秀な調査員が再び脚光を浴びることになるでしょうね。
良いほうに考えれば、GPSの違法認定でもこういうところが利点になってくるでしょう。
調査員の尾行自体は今とは比較にならないほど大変になるでしょうけど。
探偵に頼む依頼人にとってのデメリット
さて、浮気調査を検討しており、探偵に頼む依頼人側のデメリットはどうでしょうか。
これははっきりしていますね。2点あります。
1つ目は、
そもそも、これまでレンタルGPS装置を利用しており、探偵に頼まずに自分自身で浮気の証拠をある程度つかんでいた配偶者(例えば妻)が、GPSの利用を禁止されることによって、
今後は探偵に頼まざるを得なくなります。
当然探偵への調査依頼は、レンタルGPSよりも遥かにに高額な費用がかかってくるでしょう。
でも、この点は探偵事務所側のメリットですね。
2つ目は、
探偵に頼んだ依頼人の調査結果が、悪いものになりがち。
なぜならば、その調査がターゲットの車両を追尾する調査であった場合、調査員はガチンコで追尾しなければならず、
どんなに優秀な探偵であっても長時間の尾行や、交通状況に左右されることで尾行をまかれることはあるから。
言い換えると、探偵といえども調査で失敗する可能性が高まるということです。
近年のGPS社会では、探偵も依頼人もその恩恵を受けてきました。
また、探偵には依頼をせずにGPSレンタルによって浮気調査の情報収集ができた人も多くいます。
そんな中、今回の法改正の議論が白熱し、GPSに関する「常設の検討会」なるものが設置された場合、、、
ちょっと想像するだけで恐ろしい未来が見えてきますね。
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