探偵の仕事はつらいよ-コロナでさらに不規則に【離職率9割】

探偵という仕事は「つらい」と言われることが多いですがそれはその通りで、僕は20年以上探偵をしていますが探偵の仕事内容の辛さを否定するつもりは全くありません。

今回の探偵ブログは、思い切って探偵の仕事のつらさについて率直に掘り下げた内容になっております。

もちろん探偵のいいこともあります。

でも、生半可な気持ちで探偵になってその仕事内容のつらさに直面してから短期間で辞めてしまう探偵があまりにも多いのです。

それがこの探偵業界の出入りの激しさ、離職率の高さであることが明らかなため、その探偵のつらさを事前に知ってもらい、それでも探偵を目指したい人だけに探偵業界に入ってもらいたい。

そんな切なる気持ちを持って記事を書いていきます。

ゴリ助
だって探偵社に10人入社したとしたら3年後に9人は辞めてますからね。ホントに。

離職率90パーセントって仕事はなかなかないでしょう?

探偵ってそういう世界ですよ。

実際、探偵事務所に入社した新人探偵を育て教育していく身としてはすぐに辞められてしまうことは労力以外の何ものでもないです。

それは新人探偵にとてっても時間の無駄とも言えることなので、本音でお伝えしていこうと思います。

探偵の仕事で一番つらいのは不規則であること

はっきり言いますが、探偵の仕事で一番つらいのは超不規則であることです。

その調査が浮気調査であろうがそれ以外の素行調査であろうが、調査対象者の行動に関する調査は基本的に尾行を伴う調査になります。

よって探偵が自主的に調査の予定など組めるわけもなく、その時の調査ターゲット次第なのです。

まさに相手次第の仕事。

しかも探偵に尾行されるような人たちはクセが強い人が多く、クセが強い行動をとるので普通の行動とはかけ離れている事が多いのです。

探偵は常にそんな調査対象者に合わせて行動を余儀なくされる。
それがつらい仕事たる所以です。

調査対象者の行動が全く読めないことなんてザラにありますので、探偵がいつ家に帰れるのか、いつその日の調査が終わるのかの予定は事前に立てられないことが多いのです。

これが探偵のつらさであり、この不規則はどうにも解決する方法がありません。

相手が動いている以上は探偵が足を止めるわけにはいかないからです。

この不規則は探偵のみならず、その家庭にも大きな影響を与えてしまいます。

探偵は家庭がうまくいかないのがつらい

さらに追い打ちをかけるようですが、探偵は家庭がうまくいかないことが多くそれがつらいところです。

これは先述の不規則が主たる原因です。

例えば夫が探偵の場合、その夫は調査ターゲットのその動きにどうしたって振り回されますから、いつ家に帰れるか予想できません。

さらには、家に帰れるのが何日後になるのかすら想定できないことがあるので妻にまともな報告ができません。

だから必然的に探偵は家を空けることが多く、妻や子供たちとの予定も立てられないので家庭が疎遠になります。

調査現場の状況により、現場がない日は休みになりますがそれも急です。

いきなり前日の夜中に上司から、

探偵の上司
「明日は休んでいいからね。よろしく」

だなんて言われるのが日常茶飯事です。

朝家に帰って妻に

新米探偵
「今日は休みになったよ」

なーんて言った後にすぐに熟睡して夜まで起きない。

そんな夫とうまくやっていける妻って、はっきり言いますが、世の中にそれほど多くないですよ。

そう、探偵の仕事の不規則は本人の辛さだけではなく家族をもつらくさせてしまう要因であることは間違いありません。

探偵という仕事は離婚率が高いのがつらい

僕のように20年以上探偵業界にいるとわかるのですが、探偵の離婚率は極めて高いです。

先述の通り、探偵自身の不規則⇒家族もその不規則に巻き込まれる⇒家庭がおろそかになる⇒離婚が早い。

このような負のループを僕は何人も見てきました。

やがて奥さんに我慢の限界が来ちゃうんですよね。
そりゃ無理もないです。

世の中に忙しい仕事はたくさんあるでしょうが、探偵の仕事は忙しさに加えて「超不規則」が付随するのがつらいところ。

だって、

ゴリ助
・いつも忙しい人だって普通は家に帰るでしょ?

・いつも忙しい人だって、休みの予定ぐらい家族に告知できるでしょ?

探偵という仕事は、上記2点が保証されないのがつらいところなのです。

コロナ禍で、探偵業務の拘束時間が長くなりつらい

いわゆるコロナ禍により探偵社全般の売上が激減したことはもちろん辛いことですが、コロナ禍が「探偵の拘束時間を急激に伸ばす結果」になってしまったことは案外知られていません。

実はそれは、対象者のマスク着用のせいなんです。

ゴリスケ
探偵にとってはマスクは天敵です!

調査員として本当につらいのが、世の中のマスク着用が日常化されたこと。

それによって、探偵が調査対象者を特定(顔の確認)する難易度が格段に上がってしまったことです。

探偵はかつてないほどに調査現場で苦労しています。

以降は、コロナ禍をきっかけに探偵業務に訪れたつらい現状と、その対策・解決方法についてもお伝えしていきます。

マスク着用の日常化で探偵だってターゲットの顔がわからん

これが本当に困っていることなのですが、コロナ禍により調査対象者の特定がものすごく大変になったってこと。

誰も彼もマスクするのが当たり前の時代になっちゃったので、例えば夕方に勤務先から調査を開始すべき浮気調査でも、朝にターゲットの自宅から調査をしなければならないケースが急増しているのです。

ゴリスケ
これが探偵にとって本当につらいところです。

だって、夕方に勤務先から調査したってマスク着用によって対象者の顔が半分隠れた状態で対象者を特定できますか?

初見ですよ?

はっきり言いますが、熟練の探偵だって初見で確実にターゲットを特定できるものではありません。

コロナ禍のせいで朝から調査しなきゃターゲットを確認できない

調査ターゲットが朝自宅から出るところを確認して、その服装や雰囲気を把握しておかなければ、夕方に勤務先から調査したって見落としてしまう可能性が高くなります。

人違いとかもね。

そんなことにならないように、朝から無駄に長く調査しなきゃならないケースが急増したのです。

人物確認(探偵業界では「面取り」という場合もあります)のためだけに。

正直、コロナの影響で「探偵の拘束時間」がエグイです。
かつてないほどに。

この拘束時間の長さが探偵という仕事の辛いところ。

これによって、コロナ禍において寝不足の調査員が急増しています。

そりゃそうでしょう。
今までは夕方の調査に間に合うように現場に到着していたのが、今は朝から現場にいなきゃならなくなったので寝る時間が減る。

もっと言えば、調査員は家に帰れない日が急増しているのです。
調査員の寝る時間の減少は、次の例を見ればわかります。

【ゴリスケの1日】最近の浮気調査一例

僕ゴリスケの最近の一日のスケジュール例をご覧ください。
コロナ禍による対象者のマスク着用によって、探偵が寝られない状況に陥っているのがわかってもらえると思います。

【とあるゴリスケの1日】
【朝】
7:00 横浜市のターゲット(夫)の自宅から調査を開始~張り込みを行う。
7:20 ターゲットが外出し、その服装や所持品、雰囲気等を把握する。
8:50 ターゲットが都内の勤務先に出勤し、勤務先で利用するビルの出入り口等を把握する。
9:00 調査は中断となる。
★中断時間は8時間(長い!)~
【夕方】
17:00 ターゲット(夫)の勤務先ビルから調査を再開。
18:10 ターゲットが退勤する
19:30 ターゲットが浮気相手の女性と会う。
19:55 ターゲットと浮気相手がレストランで食事する
21:30 2人がレストランを出る
21:54 2人がラブホテルに入る
23:40 2人がラブホテルを出て別れる
※浮気相手女性の自宅を判明するべく、女性をターゲットとして尾行する。
【深夜】
00:30 江東区に住む女性ターゲットの自宅が判明する。
01:00 調査が終了する。
※直後、翌日の「別件初日調査」に向かうため、探偵は川崎市に向かう。
03:00 探偵はようやく川崎市のビジネスホテルにチェックインする。【4時間後は別件の調査初日】
7:00 川崎市のターゲット(夫)の自宅から調査を開始~張り込みを行う。

ね? 夜寝る時間がないでしょ?

上記の例では、★(9時~17時までの中断の時間8時間)の場面で探偵は無駄に拘束され、家に帰ることもできず時間をつぶすことになるのです。

こんなスケジュールが連日続くと調査員は正直つらいです。。。
もちろんこれが毎日ではないですが、対象者のマスク着用によりこのようなスケジュールが異常に多くなっているのが探偵業界の現状です。

探偵の拘束時間を軽減できる場合も


なお、この探偵の過密スケジュールは、依頼人の協力によって軽減できる場合もあります。

それは、依頼人が対象者と同居している場合で、

依頼人の協力

  • 対象者のその日の服装(マスクやネクタイ等)の情報を探偵に提供できる。
  • 対象者の所持品の情報を探偵に提供できる。
  • 理想を言えばスマホのカメラで上記の情報を撮影し、探偵に提供できる。

※気づかれないように撮影する必要があり、すべての依頼人ができるわけではない。

上記の協力を依頼人から得られる場合は、探偵は夕方(上記の例では17:00)にターゲットの勤務先から調査を開始することができ、朝7時~17時までの拘束時間(10時間)を回避できます。

でも、そもそも依頼者がターゲットと同居していなければ当日の服装や所持品の情報がもらえません。

その場合、やはり探偵は早朝から調査をなわなければならないので、つらいところです。

ターゲットが車使用の場合

また、必ず車を使用する調査ターゲットであれば、夕方から勤務先でターゲットの車をマークすればよいでしょう。

この場合、ターゲットの顔確認(面取り)を厳密にする必要がなく、車を張り込むことによってターゲットが来るのをを待つことができます。

ターゲットが乗車するところを目撃できれば、その時に特徴や服装を把握できるのですから、朝から無駄に長い時間調査する必要性はありません。

でも、徒歩で移動するターゲットであれば初見調査の顔確認(対象者の特定)は必須条件です。

都心で調査する探偵は寝不足になりがちでつらい

東京都内の調査はターゲットが徒歩で移動する調査が多いので、必然的に朝の面取り(対象者の顔の特定)が必要なケースが多く、都心で活躍する探偵は最近寝不足な人が多いです。

探偵の寝不足は本当につらいですよ。
寝不足での運転は事故と隣り合わせですから危険も伴いますし、張り込みにも影響してしまうので悪循環です。

張り込み中に寝落ちしてしまったら、みっともないことになりますよ。
その日の調査は台無しですし依頼人には何と言えばいいでしょうか。

ゴリスケ
「スケジュールがきつかったもんで実は寝てしまいましてね・・・」

なーんてことは口が裂けても言えませんw
そんな事はまったく言い訳にはなりませんからね。

まとめ+探偵のやりがい

さて、なんだか今日の記事は探偵という仕事のつらさばかりが目立つ記事になってしまいました。

でもこの業務のつらさは探偵業界ではごく当たり前のことでもあり、このようなつらい業務の中でも継続できる適性を持った探偵だけが業界で生き残っていけるのです。

ですから、探偵が不規則であることや拘束時間が長いこと、休みの予定が立てられないことや家庭が崩壊しやすく離婚率が高いこと。

これらををオブラートに包むことは結局探偵業界を目指す若もの達に嘘をつくことになりますので、ここで本当のことを書きました。

とはいえ、この探偵業界の仕事内容のつらさの中、20年以上も探偵を継続している僕のような人が多数いるのも事実です。

そこで、探偵に向いている人の考え方(やりがい)として共通しているのが以下の点です。

探偵のやりがい

  • ターゲットがどこに行くか、どのような行動をするのかがわからないから面白い。
  • 予想外のシーンに出くわしたり予想外の場所に行くことができたり、日本中をターゲットと一緒になって旅することができるのでその意外性ある仕事に魅力を感じる。
  • 調査ターゲットを尾行するスリルは何にも代えがたい

自分で言うのもなんですが、探偵は生半可な気持ちでは務まらない仕事です。

それでも今回お知らせした「探偵のつらい項目」を乗り越えていける人は探偵業界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

もしそんな人がいれば、僕は心から応援しますよ。

本日も最後までありがとうございました!

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