
こんにちは。現役探偵のゴリスケです。
今日の探偵ブログは「病院で張り込んで家出人(調査対象者)を待ち受ける探偵話」をテーマにお伝えします。
実は病院での張り込みは、探偵としては結構やりやすいです。
そこそこ大きな病院であれば、受付は普通にスルーでき、院内で待ち受けをしていても何ら不自然ではないからです。
あんまり患者が少ない病院でもなければ、探偵が潜入するスペースはあります。
病院で張り込んで家出人(調査対象者)を待ち受ける探偵
例えば、調査対象者が「家出をして行方不明」である場合、家出人捜索調査として、対象者がいそうな地域やエリアを捜索する調査があります。
俗にローラー調査と呼ばれる調査です。
でも、この方法はよっぽど情報が正確であったり、その地域を絞れている場合であればよいのですが、情報不足の場合、見つかる確率はかなり低いでしょう。
残念な話です。
でも、「対象者が月に1回は訪れる場所があったとすれば」、この場所で探偵が待ち受けることで対象者を発見し、その後尾行をすれば「寝泊り先」(現潜伏先)を判明できるケースはあります。
その一つが、病院です。
例えば、こんなケースがありました。
・調査対象者が28歳の息子。
・東京都内で同居していた。
・息子は長年うつ病に悩まされており、1週間前に同居する依頼人の家から家出した。
・事務職の仕事場でもうまくいっていなかった様子であり、それ以来無断欠勤をしている。
・ふさぎがちな性格もあって、親しい友人や交際相手はいなかった。
このようなケースで他に手掛かりがない場合、この対象者を捜索して見つけるのは非常に困難です。
東京在住の対象者が沖縄で発見されたり、逆方向の北海道で発見されるなんてこともよくある話で、対象者からすれば、自由自在にどこでも旅することができるのですから。
このように、探索情報としては不十分のケースでも、「1か月に1度は通院していた病院」に来る可能性は高いと言えるでしょう。
病院に行かなければ病状が悪化することがあり、家出の対象者にとっても当然病気は他人事ではないですから。
しかもこのケースでは、毎月第3金曜日に東京都内のメンタルクリニックに通院していたということが分かったので、その曜日の開院時間から張り込みを開始することにしました。
疲弊で容貌も変わってしまったが本人か?
朝10時にメンタルクリニックが開院となり、そのころに張り込みを開始しましたが、1時間も張り込みをしないうちに、ターゲットらしき男性がやってきました。
でも、「依頼者から預かった写真」とはかなり風貌が変わっています。
そして、長髪と言えば聞こえはいいですが、実際は伸び放題で理髪店に行っていないだけのボサボサ頭。
また、こう言っては何ですが、みすぼらしい服装からただよう異臭があり、最近風呂には入っていないと思われました。
ここまで変貌しており、しかも、このご時世ですからマスクをしているので、本人かどうかの断定は困難でした。
でも、大丈夫。ここは病院なのです。
【探偵に好都合】調査対象者の名前をフルネームで呼ぶ病院のアナウンス
この男性が「調査対象者なのかどうか断定できない状態」で張り込みを継続する探偵に朗報でした。

そんな受付からのアナウンスの後、例の男性が診察室に入っていきました。

だから病院は好きなんです。
今どきでも、フルネームでアナウンスする病院が多いから。
意外ですか?
病院は、間違い防止のためにフルネームで呼ぶことが多い
確かに、一時は番号札でのアナウンスに切り替えた病院も多くありました。
でも、結局はフルネームで呼ぶことに戻ってしまった病院が多いといいます。
間違いとか、呼ばれても気づかないとかの不具合が多くあり、病院の業務に支障があったようですね。
また、名字だけで呼ばれた場合、同じ苗字の人(この場合「井上」)が反応してしまい問題があるそうです。
そんなわけで、フルネームで呼んでくれるということは探偵にとっては本当にありがたいです。
現に、このメンタルクリニックは、非常にデリケートな病院にもかかわらず、9割以上の人がフルネームで呼ばれています。診察時でも会計時でも。
「番号で呼んでください」と言えばそう対応されるようですが、あまりその要望を言う人は少ないです。
せいぜい1割程度でしょう。
むしろ、みんながフルネームで呼ばれている時に、1人だけ番号で呼ばれると、かなり注目を集める結果になってしまうのです。
目立つのですね。
探偵としてそんな光景を見ると、ちょっと不思議な感じがします。

さて、ともかく、これで調査ターゲットの面取りは終了ですね。
「面取り」とは、探偵が対象者の顔や容貌を見て「対象者の特定」をすること。
面取りが上手い探偵は重宝されます。
後は、この調査ターゲットが病院で会計をし、それからどこへ向かうか、その根城を突き止めて、親である依頼人に引き渡すまで調査を継続して終了します。
長くなってしまったので、この話は次回に続きます。
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