家出人(対象者)を発見した探偵はしばらく泳がせて行動を把握する

こんにちは。現役探偵のゴリスケです。
今日の探偵ブログは、「家出人(対象者)を発見した探偵はしばらく泳がせて行動を把握する」というテーマでお送りします。

前回の記事で、「通院先の病院で家出人を発見し、面取りを完了した」までお伝えしました。

今回はその続きとなりますが、その記事を見なくても話の筋に問題はありません。

参考↓ ↓ ↓

今回は、

・探偵は発見した家出人(対象者)をすぐには依頼人に引き渡さず、「ある程度泳がせる」ことで行動パターンを把握する。
・そうすれば、もし家出が再発した場合にも捜索ポイントとして「有力な情報」となる。

そんなお話をお伝えしてまいります。

家出人(対象者)は憔悴しきっている

さて、通院中のメンタルクリニックに現れた調査ターゲットを我々探偵はキャッチしました。

簡単な概要は以下の通りです。

・依頼人が60代の母親。
・調査対象者が28歳の息子。
・東京都内で同居していた。

・息子は長年うつ病に悩まされており、1週間前に同居する依頼人の家から家出した。
・事務職の仕事場でもうまくいっていなかった様子であり、それ以来無断欠勤をしている。
・ふさぎがちな性格もあって、親しい友人や交際相手はいなかった。

ってなことで、我々探偵が病院で待ち受けて見事に対象者を発見したのですね。

探偵としては、この後診察を済ませて会計をした後、調査対象者がどこへ行くのかを押さえる必要があります。

さて、調査ターゲットは10分ほどで診察を済ませました。

それにしても、彼は神経がだいぶまいっているようです。
ターゲットの周囲だけ、どんよりとした空気が見えるようです。

僕は、いつも家出人捜索調査で対象者を発見したときに思うのですが、ほどんどの場合対象者は憔悴しきっていますね。
今回も例外ではありませんでした。

依頼者から預かった写真のような「笑顔が素敵な28歳の健康的な男子の面影」は全くなく、全身からただよう憔悴と印象的な目のクマ。
そして、長髪と言えば聞こえはいいですが、実際は伸び放題で理髪店に行っていないだけのボサボサ頭。
また、こう言っては何ですが、みすぼらしい服装からただよう異臭があり、最近風呂には入っていないと思われました。

会計待ちの間にも、周囲の患者が鼻をつまんでしまうような異臭が漂っています。

対象者が目に見えて憔悴しきっているのが、切ないほどにわかりました。

探偵は、家出人を泳がせて行動パターンを把握する

この7日間の家出で相当神経がすり減ってしまったのでしょう。
ロクな暮らしぶりではなかったと思われます。

この顔を見ていると、家出をして幸せになったようには到底見えません。

この後どこに向かうのか? どこに寝泊まりするのか?

その行動パターンを知ることで、もし次回また家出をしてしまった場合でも、心当たりとして記録を残しておけるような立ち回り先を押さえていく。

それも探偵の重要な仕事です。

そう、家出人対象者をある程度泳がせるという調査手法ですね。

第一に、この病院で調査ターゲットである息子さんを発見したからと言って、この病院を出るまでに依頼人が駆けつけられる距離ではないのですから。

もちろん、依頼人には速やかに第一報を入れますが、今後も調査を継続していきます。

さて、ターゲットが会計を済ませ、その後処方箋薬局を訪れました。

家出人(対象者)は薬局で抗うつ剤や睡眠薬を処方され

処方された薬を調べると抗うつ剤はもちろん、睡眠導入剤をも処方されていました。

きっと、ほとんど眠れていないのでしょうね。
目の下の大きなクマがそれを物語っています。

このように、親元から勢いよく家出した調査対象者も「薬欲しさ」にかかりつけの病院には顔を出す傾向があるので、探偵の家出人捜索ポイントとして、病院での張り込みはよくあることなのです。

この調査はここまでは大成功。でも、この後どこへ行くのか?
それが何より重要です。

家出人(対象者)が7時間もゲームするのを眺める探偵の哀愁

薬局を後にした調査対象者は、山手線で少し駅を移動した後、秋葉原のゲームセンターに向かいました。

そして、なんだか僕からするとあまり楽しそうには思えないカーアクションゲームを開始したのです。

ものすごい勢いで、走り屋(漫画のとうふ屋のやつ?w)の車で峠を攻めていきます。
オンライン対戦型のカーアクションゲームってやつですね。

峠でドリフト、ドリフト……またドリフト、みたいなw

いい加減飽きそうなものですが、飯も食わずになんと7時間もドリフト三昧です……

 まったく、依頼人が息子である対象者の口座にお金を振り込んであげるから、家出人は働かなくても暮らしていけるようになり、そのお金が遊興費や宿泊費に使われることになるのですね。

対象者は典型的な坊ちゃんタイプでした。お金には困っていないようです。
28歳でまだ坊ちゃん...

現に坊ちゃんは、すでにこのカーアクションゲームに1万円以上はつぎ込んでいる様子。

なんやら専用のカード(Aimeカード)を使って。
いまや現金を使わないゲームがあるんですね。ゲームセンターも変わりましたねorz

いい加減、ゲームを見ているほうはうんざりしてしまいましたが。
7時間もこの状態の探偵には、かなりの哀愁が漂っています。

ゴリスケ
すっかり、「ゲームを見るのが好きなおっさん」という仮の設定がなじんでおり、ゲームセンターの店員ともちょっと親しくなりました。

探偵って、その場になじめなければ務まりませんからね。

家出人(対象者)の馴染み深い店舗を把握することは超重要

もちろんそれ以外にも収穫もありましたよ。

調査ターゲットはこのゲームセンターの常連のようで、店員ともかなりフランクに会話をしているので、例えばまた家出をしたとしても、このゲームセンターには訪れる可能性が高いことが分かったのです。

そして、これは内緒ですが、

「車ゲームが好きな割にヘタクソだから、いいお客さんなんですよw」

って店員さんが教えてくれました。
さすがに「上客」って言い方はしませんでしたが、「ヘタだからいいお客さん」ってww

探偵として、このようにターゲットに馴染み深い店舗を把握することは超重要で、依頼人はこういう情報に対してとても喜びます。

依頼人には現状の電話報告をしていますが、「寝泊り先まで把握しておきたい」という希望があったので、探偵との合流は先送りにしています。

そう、家出人(対象者の)行動や宿泊パターンを掴む前に確保してしまえば、次回の家出の時の参考材料が少ないままになってしまいます。

ですから、この依頼人の判断は理にかなっています。

逆にこのゲームセンターで依頼人と引き合わせを行おうものなら、もう二度とこのゲームセンターに訪れることはないでしょう。

しかも、宿泊先もわからないままで最悪のケースになります。

次にもし家出をした時には、雲を掴むようなものです。
※また、メンタルクリニックに来る可能性はありますが。

次回の家出では依頼人自身が調査して発見できる

実際、また家出した際に、依頼人が馴染みの店舗や宿泊先情報を把握しているがゆえに「すぐに家出人の発見に至ったケース」も数多くありますから。

その時は、別に探偵でなくても、依頼者本人がその店や宿泊先を尋ねたり、状況によっては聞き込みをしてもいいでしょう。

ゴリスケ
そうすれば探偵に支払う金額は0円ですみますね。

さて、7時間もカーアクションゲームを継続していた調査ターゲットですが、ようやく動き出し、ゲームセンターを後にしました。

食事はマックでハンバーガー2個と水だけ

時刻は19時を過ぎています。
昼ご飯も食べていなかったから、お腹が空いたのでしょうね。

調査ターゲットは近くのマック(マクドナルド)に直行し、バーガーを注文しています。

注文したのは、ハンバーガーを単品(110円)で2つと水だけ。
ですから、220円の支払いですね。

まったく、もうちょっと栄養のあるものを食べてほしいものですね。
さすがに、僕も親目線でちょっと心配になってしまいましたよ。

「親の心子知らず」とはまさにこのことでしょう。

僕には、相談時に話した依頼人の心配が手に取るようにわかりましたから、なんだか親目線で心配になっちゃったのですね。

だって、あんなくだらないゲームに1万円以上もつぎ込んだ後、こんな質素な夕食をたべているってどういうことなの?

さすがに納得できませんよ。

ゴリスケ
口の中に野菜サラダでも放り込んでやりたい気分になりましたが、何とかその気持ちを抑えましたw

さて、食事の後は、どこに宿泊するのかがポイントですね。
寝泊り先の判明は何より重要です。

今回もちょっと長くなってしまったので、次回に続きます。
次回は、我々探偵が家出人(対象者)の寝泊り先を突き止めた話をお送りします。

↓ ↓ ↓ 続きです。

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