
こんにちは。現役探偵のゴリスケです。
今日の探偵ブログは、「探偵は家出人の宿泊当日は引き会わせない【その計画とは?】」をテーマにお送りします。
前回の記事で、「家出人を発見した探偵が寝床を判明させ【秋葉原は家出人の聖地】」までお伝えしました。
今回はその続きとなりますが、その記事を見なくても話の筋に問題はありません。
↓ ↓ ↓ 参考
【なぜ?】家出人を発見するも、探偵は宿泊当日は会わせない
ゴリスケは夜20時15分過ぎに依頼人であるご両親(正確には父親)に電話してこれまでの経緯を詳細に報告しました。
もちろん、依頼人(家出人の父親)は大喜びしてくれました。
家出人である息子(28歳の)さんを発見し、
・さらに、行きつけのゲームセンターもわかった。
のですから、嬉しいのも無理はないでしょう。
喜んでもらえれば探偵冥利に尽きます。
さて、問題なのは「引き渡し」についてです。
調査対象者である息子さん(28歳)がインターネットカフェで受付を済ませたのが20時頃。
質素とはいえ、マックでハンバーガ2個を食していることから、この後店を出て食事に向かい、さらには別の寝床に向かうという可能性は皆無でしょう。
今日はこのネットカフェに宿泊するものと決定できる状況です。9割型は。
依頼人は、

その後、家に連れ帰って自宅に閉じ込めて説教すると言います。
さて、探偵としてはどう答えるべきでしょうか?

っていうような探偵は、探偵失格と言ってもよいでしょうね。
なぜなら、そのような引き渡しをした場合、調査対象者である「坊ちゃん」(お坊ちゃんなのです)は探偵が行方を判明させて、依頼人に通報したと感じるからです。
そりゃそうですよね。
探偵事務所に依頼し、探偵からの連絡があったと考えるのが自然ですよね。
この場合、ネットカフェでのトラブルにもなりやすいです。
だって、店がお客さんの個人情報(宿泊情報)を第三者に開示し、お客さんのプライベートを侵害したと考えれば、発見された坊ちゃん(息子)からしたら面白くはないでしょう。
怒りの矛先が店に向いて、余計なトラブルの発展する可能性も大いにあります。

そんなこともあって、ネットカフェは近年では情報を全く開示しないというスタンスの店が増えてしまったのかもしれませんね。
とにかく探偵としては、依頼人がこの後(今夜)、すぐにインターネットカフェに乗り込むことは「得策ではないこと」を説得し、依頼人のはやる心を落ち着かせることに全力を挙げます。
しっかりと説明すれば分かってくれるものです。
全ては、先々の依頼人の利益を優先するためのものなのですから。
結論、探偵としてのオススメをとき、宿泊当日は依頼者を合流させないことにしました。
ではこの場合、どのような息子さんの引き渡し方法が有効なのでしょうか?
【探偵の計画】家出人の引き渡し方法は、店を出てからが得策
先にお伝えした通り、ネットカフェに依頼人が乗り込んでしまった場合、不要なトラブルを招く可能性が高いので、それは依頼人に我慢してもらいます。
計画があるのです。ではどうすべきか?
答えは、「依頼人にも探偵と一緒になって」ネットカフェから出てくるところで張り込みをしてもらいます。
そうして、家出人(息子さん)が店から出たところで、タイミングを見計らって声をかけるっていう算段です。
店に迷惑をかけず、家出人を確保するっていう計画ですね。
警察を介入させて、インターネットカフェで家出人(対象者)を確保する方法です。
【特異行方不明者】(とくいゆくえふめいしゃ)
行方不明者のうち、殺人・誘拐等の犯罪により生命または身体に危険が生じているおそれがある人、少年の福祉を害する犯罪の被害にあうおそれがある人、水難・交通事故など生命にかかわる事故に遭遇しているおそれがある人、遺書や平素の言動などから自殺のおそれがある人、精神障害や危険物携帯などの事情により自身を傷つけたり他人に害を及ぼすおそれがある人、病人・高齢者・年少者などで自救能力がないことにより生命または身体に危険が生じるおそれがある人をいう。行方不明者発見活動に関する規則
今回は家出人の息子さんが28歳で、特異行方不明者でもなかったので、その手法は使いませんでした。
さて、僕は依頼人と電話で協議し、依頼人には翌朝の8時に秋葉原に来てもらうことにしました。
本日は、対象者もインターネットカフェで宿泊するでしょうし、明日の朝8時前に対象者が外出しそうな特段の理由もないからです。
※仕事先は無断欠勤している状況なので。
かといって、夜中や早朝に対象者が外出する可能性も考え、探偵は一晩中張り込みを行います。
僕は、相棒の探偵と交代しつつ、インターネットカフェの店舗出入口を張り込みました。

そんなことを考えながら。
【家出人確保の段取り】翌朝8時:ネットカフェの前で依頼人と合流
翌朝の8時前でした。
依頼人である50代後半の両親(正確には依頼人は父親)が現れ、探偵の車に案内します。
この日張り込みのために用意した探偵の車は、広めのミニバン。
後部座席に依頼人夫婦を案内し、対象者が目の前を通過した場合でも、絶対に後部座席の様子が見えないようにカーテンを閉めておきます。
家出人の息子さんが得体のしれない車に乗っている両親を見た場合、探偵の仕業と気づく可能性が高いでしょうから。
そう、依頼人である夫婦には、張り込みの車には乗ってもらいますが、張り込みには参加させません。
それは探偵の仕事です。対象者に両親を見られるわけにはいきません。

8時を過ぎたら、ゆうじさん(調査対象者)はすぐにネットカフェから出てくる可能性があります。
なぜなら、昨夜の20時過ぎに受付をしているからです。
ネットカフェのプランで「12時間パック」というものがあるので、ちょうどその時間が経過する前に出るパターンが多いです。

【探偵の計画】家出人と依頼人を引き合わせる際の注意事項



店の前で「捕り物」となれば何かと目立ちます。
そして、この車から出るご両親がゆうじさんに見られてしまった場合、探偵の存在を知るところとなるでしょう。
その場合、万が一ゆうじさんが今後家出をしたとしたら、探偵にも見つからないような、「より狡猾な逃避行動」をしてしまう可能性があるからです。
そうすると、今回よりも捜索の難度が格段に上がってしまうので、探偵の存在はゆうじさんには感知されないようにしたいのです。

家出人を見つけた理由付けを指南【探偵の存在を感じさせない】

なるべくなら、ネットカフェを出てから次の店まで、ゆうじさんを泳がせたほうが良いでしょう。
理由は、2つあります。
一つ目は、ゆうじさんは朝食のために次の店舗に入る可能性が高いからです。
よって、電車で移動したりして、いきなり遠出する可能性は低いでしょう。急ぎ必要はありません。


これは今後のために重要です。
何度も言いますが、今後の家出の可能性を少しでも考慮するならば、
「探偵によってゆうじさんの居所が分かった」
ということは隠し通したほうが良いのです。
そうじゃないと次回の家出計画が、より周到かつ狡猾になってしまうので。


8時過ぎに開店している飲食店は限られているので、昨夜に食事をした「マクドナルド」に入る可能性があり、その場所であれば引き合わせには悪くない場所ですよ。
ここまでの説明で不明点はありますか?


・一つは、飲食店に入った後、ご両親は後からゆうじさんの席に着いてこう言ってください。
「友人から、『昨日、秋葉原でゆうじを見かけた』っていう知らせを受けた。それで今朝から2人で探していたんだ。本当に秋葉原にいて驚いている」と。
いいですね? あくまでも友人からの情報を頼りに探していたことにするのです。

もし駅に入ってしまった場合は、次の目的地がまったく想定できません。
ご両親には多大な心労と負担をおかけしますので、その前に僕からごダンナさんに電話を掛けます。
それを合図に、駅の手前でゆうじさんに声をかけてしまいましょう。
見つけた理由は、先ほど話しましたね。友人からの情報です。

なんだか心臓がドキドキしてきました。失敗したらどうしよう!

後は僕の合図に沿って行動していただければ大丈夫です。
僕はダンナさんに電話をしますので、電話は必ずつながる状態にしましょうね。
あまり不安がる奥さんの場合、ダンナさんを持ち上げてスムーズに話を進めるほうが早い。
これ以上押し問答をすれば、対象者が店を出てしまいます。
事前に作戦を決定することは、何よりも重要だ。

こうして、
言い方は悪いですが、「家出人の捕り物計画」は合意を得ました。
後はこのプランに沿ってターゲットを確保するのみです。
もちろん確保するのは両親の仕事です。
探偵には、家出人を確保するような権限など与えられていないのですから。
また、ちょっと長くなってしまったので、その「捕り物」については次回の記事でお知らせします。
↓次回でいよいよこの話は終了です( ´∀` )