
はじめに
探偵が作成する調査報告書は、依頼者にとって非常に重要な文書である。これが調停や裁判に使われることもあるからだ。しかし、調査報告書においては文章表現のミスが多発することがある。特に、小規模な探偵事務所で文章を校正する第三者がいないケースではこの問題が起きる。他人の調査報告書を校正する担当者は絶対に必要である。本記事では、調査報告書における文章ミスの問題点や文章校正の必要性について考察する。
調査報告書における文章ミスの問題点
調査報告書において多く見られる文章ミスには、第一対象者(例えば依頼者の夫)と第二対象者(その愛人)を混同するといった単純な表記の誤りが挙げられる。また、調査対象者の行動を記述する際に、探偵個人の判断で誤った断定表現をしてしまうケースもあり、非常に危険な主観であると言える。
探偵には事実をありのまま記載することが求められており、個人の主観や推論はなるべく避けるべきである。
このような誤りがあると、依頼人に対して報告する際に混乱が生じたり、後々のクレームにつながることがある。また、正確な情報伝達ができないため、調査報告書の信頼性、ひいては探偵事務所の信頼性が低下するという問題点もある。
文章校正の必要性とその役割
文章校正は、上記のような問題点を回避するために非常に重要である。文章校正は誤った表現を修正し、正確な情報伝達を行うことが目的である。文章校正によって、調査報告書の信頼性が向上するとともに、クレームなどのトラブルを未然に防ぐことができる。逆に言えば文章校正が機能していないと探偵事務所自体の信頼が著しく低下することになる。もっと言えば、後々、依頼者からの訴訟を受ける要因にさえなるわけだ。文章不備による裁判敗訴の責任を追及されてはかなわない。よって、文章校正を専門とする部署を設けるのが探偵事務所としての理想である。
文章校正の注意点
1. 文意の理解を十分にすること
文章校正を行うには、まず文意を正しく理解することが重要である。誤解を招くような表現や誤った意味を伝えるような表現がある場合には、適切に修正する必要がある。
2. 誤字・脱字などの表記の誤りを修正すること
誤字・脱字などの表記の誤りは、文章の信頼性を低下させる要因となるため、十分な注意が必要である。また、類似の単語を間違えて使っている場合や、漢字の誤用がある場合には、正しい表現に修正する必要がある。
3. 文法や文体のルールに従うこと
文法や文体のルールに沿わない表現がある場合には、正しい表現に修正する必要がある。特に、誤った句読点の使用や敬語の誤用などは、文章の品位を低下させる要因となるため、注意すべきである。
文章校正の実施方法
1. 自分で校正する
文章校正を行う方法としては、まず自分で校正する方法がある。その場合には、文章を一度書き上げた後に時間をおいてから、再度読み直すことが重要である。これをやるとやらないのでは大違いだ。しかしながら、これだけで終わることはおすすめできない。自分が書き上げたものを自分だけの視点で見直すには限界がある。よって、第三者の視点が不可欠なのだ。
2. 他人に校正してもらう
文章校正を行う方法として、他人に校正してもらう方法がある。この方法は最も効果が高いが、もちろん、信頼できる人物に校正を依頼することが重要である。また、文章上の懸念点を発見した場合には、校正者と現場担当の探偵が互いに確認作業を取れる体制も必要だ。例えば、校正内容についての最終確認や意見交換も行うべきである。この意見交換があれば、今後の調査報告書作成時に同様のミスを回避しやすくなる。
まとめ
この記事では、調査報告書における文章ミスの問題点や文章校正の必要性について考察した。調査報告書は裁判にも使用される非常に重要な文書であり、その信頼性を高めるためには正確な表現が求められる。だから、探偵事務所は文章校正によって誤った表現を修正し、正確な情報伝達ができる体制を整えるべきだ。文章校正を行う際には、文意の理解や誤字・脱字の修正、文法や文体のルールに従うことが重要である。文章校正は、調査報告書の信頼性を向上させ、トラブルを未然に防ぐために必要な業務であると言える。

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