
今日の探偵ブログは、「尾行対象者が警戒している時の探偵の張り込み方法とデメリット2選」というテーマで書いていきます。
探偵業務をしていると、非常に強い警戒心を持っている尾行対象者がいることがわかります。
もちろん、調査を数日間遂行する過程で警戒状況が強くなってしまうケースもあります。
でも実は、調査をする前から強い警戒心を持っている対象者も多く、その多くは依頼者(妻)が配偶者(夫)に浮気を問い詰めているケースです。
相手はどこの誰なのか言いなさいよ!
言わないと探偵雇うからね!
こんな感じで。
また、依頼者自身が対象者である夫を尾行して「バレてしまってから探偵に依頼してくるケース」もあります。
だから、探偵は調査対象者が最初から警戒しているものだと解釈して、張り込みや尾行を慎重に行います。
中でも、実際に調査をしてみて警戒の度合いが強すぎる時にはちょっと特殊な方法で、張り込みや尾行を行います。
今回は、そんな探偵のテクニックについてお伝えしてまいります。
尾行対象者の警戒心が強い時は自宅でも勤務先でも張り込まない
尾行対象者の警戒があまりにも強い場合、探偵は自宅でも勤務先でも張り込みをしません。
でも、張り込み自体はしないと対象者を確認できないので実施します。
どうやって?
それは、対象者の自宅や、勤務先から離れた場所で待ち伏せをするのです。
具体的には、自宅や勤務先からは見えない位置で張り込みをかけます。
警戒している調査対象者は、出だしの位置で張り込んでいる人物や車両に目をやりますので、
このような事態がよくあります。
そこで探偵は、物理的に見えない位置まで離れて対象者を待ち受けるのです。
尾行対象者は近くに探偵がいないから気が緩む
警戒が強い対象者も、自宅や勤務先の近く(見える位置)に探偵がいない場合、警戒度が格段に減少することが多いです。
だから、この方法で探偵が自宅や勤務先から500mも離れた駅で張り込んでいた場合、対象者が駅に到達したときには警戒度はかなり下がっていると言えるでしょう。
近くに探偵がいなかったから気が緩むのですね。
もしかしたら、この500メートルの間に対象者は非常に強い警戒心を見せていた可能性がありますが、その間は張り込みも尾行もしていないのですから、調査に気づかれるわけがありません。
これが対象者のテリトリーでは張り込まないという探偵のテクニックです。
対象者のテリトリーの範囲については、その対象者の警戒の度合いによります。
それが半径100メートルの人もいるし、より強い警戒で、半径1キロメートルの人だっています。
探偵は、とにかく調査対象者に気づかれないことを重視するので、張り込み方法には徹底的にこだわります。
そこが素人には真似できない「テリトリー外の張り込み方法」と言えるでしょう。
対象が警戒している場合、探偵は対象の自宅や勤務先が見える場所では張り込みをしないものだ。その対象が来るだろうというポイントで待ち伏せをしている。時には5人がかりで5つの地点で待ち受ける。だから、出だしで探偵らしき人や車が見当たらないからって気が緩んじゃう対象だと商売はかどる。
— 探偵ゴリスケ【尾行の帝王】 (@tantei_gorilla) June 8, 2021
ただこの方法は強力ですが、2つのデメリットが存在します。
探偵が尾行対象者のテリトリー外で張り込む場合のデメリット
探偵がテリトリー外で張り込む方法は非常に強力ですが、2つのデメリットがあります。
依頼人のコストがかかるということ
まず一つ目は、依頼人のコストがかかるということ
調査員の人数が増えれば増えるほど人件費がかさむので、依頼人は高コストになりがちです。
でも、例えば探偵が2人ですむ場合なら問題はありません。
探偵は基本的に2人以上で調査を行うものなので、2人であれば最低コストで調査が遂行できます。
この場合、テリトリー外のA地点とB地点で待ち伏せすればよいのですね。
例えば対象者の自宅の「西側(A地点)と東側(B地点)」での張り込み。
しかしながら、対象者が「北側」(C地点)へも通行する可能性のある場合、そこが死角となり、対象者の外出を見落としてしまいます。
ですから、もう1名の探偵が必要になります。
すごく単純に説明するとこんな感じです。
その調査に投入する探偵の数が多くなればその分人件費がかかりますので、依頼人にとってはコスト高となります。
※もちろん、定点カメラ(監視カメラ)等を仕込める立地であれば、調査員の人数は最小限に抑えることができる場合もあります。
でも、すべての立地で対応できる手法ではないため、実際に調査員が5名投入されたケースもあります。
その時は、別の探偵社で調査を気づかれたことのある男性対象者だったため、調査の難易度が非常に高かったというのもあります。
探偵が尾行対象者を見落とすリスクが高まる
二つ目は、探偵が尾行対象者を見落とすリスクが高まるということ。
例えば、東西と北の地点で調査員3名が対象者を待ち伏せしていたケースで説明します。
西側の地点で待ち伏せ(張り込み)をしていた探偵が新米の探偵だった。
そんな時、対象者の夫がこの新米探偵の目の前を通過しているのにもかかわらず、対象者の面取り(人物の特定)ができなかったとしたら・・・・
対象者の見落としになってしまいますね。
クレームモノです。
探偵が悪い?
その通りです。
でも、優先順位の高い張り込み場所(待ち伏せ)場所に対象者が必ず来るわけではなく、手薄な新入り探偵のほうに来ることもあるのです。
しかも、自宅から遠く離れた張り込み場所で待ち受けるということは、それだけ面取りをする人物の数が増えてしまうということになり、非常に難しい判断が必要になることがあるのです。
【簡単な張り込み例】
自宅での張り込み➡40代の男は1人しかいないので、出てきた男がマスクをしていても対象者であることがわかる。
西側地点での張り込み➡この3時間以内の通行人で40代の男性は30人ほどいた➡似ている人も少なからずいたがマスクをしており断定ができない。このようなことはザラにあるのです。
こんな悪循環もあります。
多分一般の依頼者は、このような探偵の事情があるということは知らない思い記事にしてみました。
調査員が4人もいれば、そのうちの1人は経験が浅いということもよくあります。
本当は依頼人にはそんなことは言い訳にならず、
要は探偵の質の問題だと思われるでしょう。
その通りです。
でも、どんな探偵であっても最初は経験の浅い状態からスタートし、やがてベテラン・熟練と呼ばれる存在になるのも事実なんですよね。
まとめ
探偵は、尾行対象者の警戒心が強い時は自宅でも勤務先でも張り込まない
→対象者は探偵が近くにいないから気が緩むということ。
探偵が対象者のテリトリー外で張り込む場合のデメリット2選は、
依頼人のコストがかかるということ。
探偵が尾行対象者を見落とすリスクが高まる。
ですから、対象者のテリトリー外の張り込み(待ち伏せ)は非常に有効ではあるが、2つのデメリットを考慮すると積極的に実行はできない張り込みの手法であり、
理想は、尾行対象者のテリトリー内で張り込みを行うことである。
※失敗のリスクと依頼者のコスト高を軽減できるから。
というお話でした。
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。