探偵として依頼を受けられない調査があります。それは「違法調査」です。
違法調査とは、探偵が法律に反して調査を行うことを指します。私は探偵業界で働く者としては、法律を守り、誠実に働くことが重要です。
しかし、時にはクライアントから違法な調査の依頼が来ることがあります。そのような依頼には断固お断りするのですが、依頼人にとっては「探偵が依頼人から調査を受けるのは当たり前だろ！」となかなか理解してくれない方もいなす。
もちろん、違法な調査は罰せられる可能性があります。探偵業法という法律もありますし、それは当然のことです。
ですが、私たち探偵には日常的に違法調査の依頼が来ることがあるため、それを断るのだけでも実は一苦労です。
以下にに、探偵が受けられない違法調査の例を4つ挙げて説明します。
【違法調査の例①】ストーカー規制法に抵触する調査
ストーカー規制法は、迷惑行為防止等の観点から、被害者のプライバシーや人権を保護するための法律です。しかし、中にはストーカー行為を行っている者やその周辺の人物からの調査依頼が寄せられることがあります。これは恐ろしいことです。
一番多い例が、交際相手の調査をお願いされるケースです。
いざ、交際相手の情報を聞いてみると、その相手（例えば女性）の住所も分からない、電話番号も分からない、下の名前さえわからない。
では、何が分かるのかと尋ねれば、彼女の勤務先はわかるという。
もちろん、探偵としてはストーカー規制法に抵触する調査を受けるわけにはいきません。当然のことながら、プライバシーや人権を侵害する行為は社会的に許されません。調査依頼を受けた場合には、依頼者には断りを入れるしかありません。
【参考】
平成十二年法律第八十一号
ストーカー行為等の規制等に関する法律
【違法調査の例②】部落調査、差別調査
部落や民族、国籍などに基づく差別的な調査は、人権侵害にあたります。探偵としては、このような調査は受けることはできません。
平成二十八年（2016年）法律第百九号
「部落差別の解消の推進に関する法律」というものがあり、部落差別の解消の推進と部落差別のない社会を実現することを目的としています。
この法律は、罰則のない理念法ですが、これに反すると、当然違法行為になりますし、探偵業者はその違法行為をもって探偵業法で罰せられる可能性が高いです（業務停止処分等）
理念方だからと言って無視はできないですし、なにより人道的見地から断るべきです。
最も多い依頼ケースとしては、自分の娘や息子の結婚相手の調査項目として部落出身の家計であるかどうかを調べてほしいというもの。
もちろん、依頼者が部落や民族などの情報を提供してきた場合には、その依頼を受けることもできません。探偵業界には、このような調査を行う業者も存在しますが、そのような業者はやがて業界から排除さるでしょう。
【参考】
部落差別の解消の推進に関する法律
【違法調査の例③】無関係な第三者を対象とした調査（芸能人の所在調査など）
芸能人や有名人など、一部の人々に多くの関心が集まることがあります。
だからといって、何の権利のない他人が芸能人の調査の依頼をすることはできません。
これらの依頼に対しては、探偵としては受けることはできません。
もし受けた場合、先の「ストーカー規制法」に反する行為として、探偵もろとも行政から罰せられるでしょう。
基本的に、無関係な第三者のプライバシーや人権を侵害する恐れがある調査を行うことはできません。
【違法調査の例4】盗聴器を仕掛ける調査
私たち探偵は、正当な方法で調査を行うことが求められています。
しかしながら、時にクライアントから不正な依頼を受けることもあります。たとえば、不貞調査を依頼された際に、対象者の盗聴や盗撮をするよう求められることがあります。これは違法な行為であり、断固として応じることができません。
探偵は様々な法律や条例に従って調査を行わなければなりません。違法な行為を行ってしまうと、自分たちが法律違反者として処罰される可能性があるだけでなく、クライアントにも損害が及ぶことになります。そのため、私たちは常に法律を遵守し、クライアントに正当な方法で調査を提供することを心掛けています。
最後に、私たち探偵は、多くの人々の役に立つことができる素晴らしい職業であると思います。正当な手段で調査を行い、クライアントの問題を解決することで、彼らの人生を前向きな方向へ導くことができます。私たち探偵は、常にクライアントの信頼を得るために、誠実に働くことを心掛けています。
だからこそ、探偵は違法な調査は一件でも受けてはいけないのです。
その一件で、これまでのすべての功績が消し飛ぶことになるのだから。
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